発行可能株式総数
2018.01.16会社設立基礎知識
発行可能株式総数とは、株式会社が発行することのできる株式の総数のことで、その会社が発行できる株式の数を定款に記載することによって上限を設けることになります。
会社はこの発行可能株式総数を超えて株式を発行することはできません。
株式会社では設立登記の時までに、発行可能株式総数を定款で定めねばならず、この発行可能株式総数の定めは廃止することはできません。
発行可能株式総数を変更する場合は、事前に株主総会の特別決議によって、定款を変更する必要があります。
定款に発行可能株式総数を定める理由は、会社の資金調達の機動性を確保すると共に、取締役会の権限濫用を防ぐためです。
株式会社は、資金調達の必要が生じた場合に、株主総会の決議を経ることなく、取締役会の決議をもって、その上限まで株式を発行することができます。
これを授権資本制度といいます。
一方、株式の発行を取締役会に全て委ね自由に発行できるとしたのでは、既存の株主の持ち株比率が下がるなどの不利益が生じでしまうおそれがあります。
このような不利益が生じることを防ぐために、発行可能株式総数を定款で定め、取締役会の権限濫用に歯止めをかけています。
それでは、発行可能株式総数は会社設立を行う際には、どのように決めればいいのでしょうか。
まずは発行する株式の一株あたりの金額を決定する必要がありますが、1万円か5万円に設定する会社が多く見受けられます。
一株あたりの金額に制限はないので、一株100万円とすることも可能です。
ここでは一株を1万円として説明していきます。
一株を1万円に設定し、資本金を100万円にすると、実際に発行する株式数は100株となります。
発行可能株式総数はこれを基準に決定していくことになりますが、実際に発行する100株をそのまま発行可能株式総数とすることも可能ですが、今後会社規模を大きくしたい場合には、発行可能株式総数を多めに設定しておくほうが、今後の手間を省けるでしょう。
公開会社を設立したい場合以外は、このように自由に設定することが可能です。
会社設立を行う際、今後の経営にも影響を与えるおそれがあるので、発行可能株式総数についても十分に検討してみてください。